2016年10月18日火曜日

第8回市民ふれあい講座を開催しました。

外来の診察待ちをされている患者さんを対象に、市民病院スタッフが医療関連情報を提供する「市民ふれあい講座」の第8回が開催されました。

今回のテーマは、「乳がん検診について」。講師は当院の前島由佳診療放射線技師が務めました。

現在、日本人女性の12人に1人が乳がんになると言われています。ここ数年来著名人女性の乳がん発症事例がテレビなどで大きく報じられ、この病気への関心が高まっているところです。今回の講座では、乳がんによる死亡率を減少させるために行われている「乳がん検診」について、当院の診療放射線技師が解説しました。

日本人女性の乳がんの死亡者数は、1980年から年々増え続けており、2013年には1万3千人を超えて、1980年と比べて約3倍になっています。また、乳がんは30代から増加しはじめ 、40代後半から50代前半にピークを迎えるという統計データがあり、大腸がん、胃がん、肺がんより若い世代での発症率が高いことがわかっています。若いうちから乳がんに関心を持つことが必要と思われます。

また、他の国の乳がん発生数と死亡者数の推移を見ると、アメリカやイギリスにおいても日本と同様に発生数は上がっているものの、死亡者数は日本と異なり下がっているといいます。この違いは、乳がん検診の受診率の違いにあるようです。アメリカでは50%、イギリスでは70%に達する受診率が、日本においては、20%に満たないとの報告があるそうで、この乳がん検診の受診率が上がれば、日本でも乳がんによる死亡率が減ってくるのではないかと言われています。

乳がん検診には、視触診、超音波検査、マンモグラフィーがあります。それぞに、長所と短所がありますが、マンモグラフィーは、40歳~74歳を対象とした調査で、死亡率を減少させる効果が証明されているとのこと。乳がん初期(しこりが2cm以下)の状態であれば、10年生存率が90%との報告もあるため、定期的に乳がん検診を受けることが一番です。

講演では、更に、自己検診のやり方についての説明がありました。日頃からのチェックで初期のしこりを発見することもあります。他人事とは、思わないで、ぜひ乳がん検診を受けてください。

「市民ふれあい講座」は、毎月2回~3回、火曜日に開催します。
次回は、11月8日(火)の午前10時頃からの開催となります。ご来院の際には、ぜひご参加ください。











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